ご入園、ご進級おめでとうございます。
本年度もよろしくお願い致します。
今も昔も、若い保護者(特にお母さん)の悩みは変わらないものが多々あります。その主な内容を要約すれば、「子どもを叱っても、ちっとも言うことを聞かない」ということかと思います。
私は日頃から先生方に「伝えたことが情報ではなく、相手に伝わったことだけが情報だ」と申しています。とかく「私は言いました」と口にしますが、相手に理解され、相手の心の奥底まで届いて、初めて伝わった状態だといえます。
これは大人の話でしたが、子どもに対しても同じことが言えると思います。ことに子どもには通じない(理解出来ない)言葉があることを、先ずはご理解下さい。
「ちゃんとしなさい」
「しっかり見なさい」
などの「ちゃんと」とか、「しっかり」などの抽象的あるいは、あいまいな言葉は、子どもにとって理解するのが難しい言葉です。
もし、「ちゃんとしなさい」と言う場合は「椅子にしっかり座って、背中を伸ばしなさい」と、「しっかり見なさい」の場合は、「お母さんの顔を見て」と言ってみては、どうでしょう。
子どもは親の言葉を無視しているのはなく、どう行動していいのか分からないのです。
「早く片付けなさい」 → 「あと100数えるまでに片付けましょう」、「タイマーが鳴るまでに片付けてね」
「きちんと、なおしなさい(しまいなさい)」 → 「電車は電車の箱の中に、絵本は本棚になおしなさい(しまいなさい)」
ポイントは「何を、どうする」という具体的な指示力と、「最初にコレして、それが済んだら次にアレして」みたいに、一度に二つも三つも指示しないことです。「絵本は片付けましたか?はい、よく出来ました。それじゃ、今度は・・・」と、出来たことを認めて次のステップに進んで下さい。
また、お母さん方にありがちなのが、ヒステリックな命令や、禁止の言葉です。
「静かにしなさい」、「うるさい」 → 「小さな声でね」、「ボリュームを1にして」
「走っちゃダメ」 → 「ゆっくり歩こうね」
「いつまで寝てるの」 → 「もう7時だよ。おはよう」
子どもを叱る時は「短く、シンプルに」が鉄則です。それと同時に、感情的にカッとならないように気を付けましょう。