先日、息子さんが三人いらっしゃる講師のお話を聞きました。
最初のお子さんが生まれる頃に、ご夫妻でどんな子どもに育てようかと話し合ったそうです。先ずこの点が素晴らしいですね。どんな子になって欲しいか、そしてそのためには、家庭内でどのような躾や教育をしたらよいのか・・・。そして、お二人の結論は二つのポイントに絞られました。
一番目は「はき物を揃える子になって欲しい」です。自分の家では元より、よそ様のお家に行っても、自分の靴を揃えることが出来たら、将来どこに行っても歓迎されるだろう、ということなのです。
そのためには普通、口やかましく「靴を揃えなさい」と、何回も何回も言うところですが、このご夫婦は一度も靴を揃えろとは、子どもに言わなかったということです。では、どうやって・・・?
ご夫妻は子どもが靴を脱ぎ散らすたびに、揃え続けたそうです。勿論、大人の靴も常に全て揃え続けます。その結果、どうなるか?子どもは靴が揃った状態しかない環境で育ちます。玄関先で「靴が揃っていない」様子など見たこと無い、あり得ない、というのがその子の「常識」になるのです。
そうなると、親から一度も靴を揃えなさいと言われずとも、自分で自然と靴を揃えるようになった、ということでした。
二番目は「誰にでも自ら進んで挨拶をする子になって欲しい」でした。これに対しては、もっとシンプルな方法で実行します。すなわち「親が見本を示し続ける」です。
朝起きたら夫婦で挨拶をする。親から子へ挨拶する。外へ出たら、道で会う人に挨拶する。勿論、いつも明るく元気に、その挨拶をすることは言うまでもありません。
そのような家庭環境で育てば、靴を揃えることと同様に、人の顔を見たら挨拶するということが、その子にとって「常識」となるのです。
この講師は「子どもから将来の夢を奪う簡単な方法」という話もされました。それは仕事から帰宅した時、家事を終えた時に、子どもの前で「あ~、疲れた」と、言えばいいだけだそうです。
つまり、苦労して勉強して大人になっても、待っているのは「あ~、疲れた」という世界なら、大人になんかなりたくない、と子どもは思うようになる、ということなのです。
では、何と言ったら良いのか?仕事先から「ただいまー」と、帰ったら「父さん、今日もめっちゃ楽しかった!」、「仕事場の人達とも楽しく過ごして、面白いことも沢山あったよ」、「こんなこと言ってたら、また会社に行きたくなってきた。じゃ、もう一回行ってくるね!」と言って、玄関からまた出て行くふりをしたら、子ども達は「うわー、パパ行かないでー!」と、後から追いかけてくること間違い無しということです。
漫才みたいな話ですが、一度やってみる価値は、ありそうですね。皆様、如何ですか?