私は何年かにおきに海外旅行に出かけるのを、個人的な愉しみにしています。行き先と目的は大きく分けて三つあって、ヨーロッパ方面だと歴史や文化にふれること、アメリカだと世界的な潮流の最先端を見聞すること、そしてアジア方面ですと、上質なリゾート地に行って、ただひたすらボーっとすることです。さて七月末から短い日程でしたが、本園の男性職員らと共にアメリカに行って来ました。今回の目的は、「メジャーの試合を現地で観る」という、なんともおバカな企画でした。それはさておき、私はアメリカに行く機会があれば、園児さん全員にエアメールを出すということを行っており、今回が四回目となりました。きっかけは今から20年ほど前、ある経営セミナーで聞いた事例に刺激を受けたからです。このようお話でした・・・

ある宝石屋さんの社長は、仕入れや視察のため毎年のように海外出張に行っていたそうです。ご経験のある方はお分かりかと思いますが、日本を出る際のスーツケースというのは、着替えや等の身の回りの物で半分、残り分はお土産用に空けてあるので、見た目より軽いものです。ところが、その社長さんのスーツケースは、出発する時から何やら重そう。そこで同行した人が不信に思い、聞いてみると、中にはお客さん宛てのエアメールが数百枚入っているとのことでした。つまりこういうことです。宝石店から展示会などの案内DMを出しても、殆ど「ゴミ箱直行便」になってしまうが、「ただ今、仕入れのためにヨーロッパに来ています。帰国しましたら、新しい商品を展示しますので、是非ご来店下さい」と手書きで書いたエアメールなら、確実に手にして一度は読んでくれる、という理由からだったのです。この話は心に残りました。「そうか、次に外国に行く機会があれば、現地から園児さん達にエアメールを出してやろう。きっと喜ぶと思うし、それは子ども達にとって生まれて初めて受け取るエアメールになるんだ!」と勝手に興奮したものです。

ところが、問題がありました。アメリカなりヨーロッパなり出かけも、観光風景の絵ハガキなら山ほどありますが、子ども向けのものを300枚近く一度に入手するのは、とても困難が予想されます。更に限られた旅程や時間の中で、それら一枚一枚に本文と宛名を書き、そして切手を貼るという作業を想像すると「無理」という文字が浮かんできます。そこで事前にハガキと切手を現地から何とか入手し、久留米で書いて(間違いが無いように、宛名は担任が記入)目的地に着いたら郵便局へ直行!ということにしました。自主登園中の多くの園児さんから「園長先生、お手紙ありがとう」とお礼を言われ、中には相当に嬉しかったのでしょう、いつもそのハガキを持ち歩いている子もいました。実は今回の旅行中、次回用の絵葉書として300枚購入して来ました。毎年という訳には参りませんが、今から楽しみが出来ました。