新園舎の工事が始まっています。「園長先生、大きな穴があいているよ」と、登園してきた園児さんが驚いた様子で報告してくれました。基礎工事のために掘られた穴のことです。地中深くまで打ち込まれる杭は、地下12メートルに達するそうですが、このしっかりとした基礎工事が耐震性能を確保し、安心安全な園舎として園児さん達を永く守ってくれることでしょう。
今回の新園舎の概要を改めてご紹介しますと、一階には正面向かって左側に「給食調理室」、その右隣にチャイルドクラブさんを中心とする「子育て支援室」、更にその隣には将来の幼保一体化を想定した1~2歳児室が設置されますが、当面は「たまご組」さんの教室として使用します。そして一番右側には、園児用の靴箱が収容されるスペースがあります。
二階には3教室と絵本コーナーが設置されます。10月からは年長2クラスと、年中の1クラスが入ります(今年は、ばら組とゆり組で3ケ月交代の予定)。この3教室の壁は可動式となっていますので、全部広げれば入園式や、卒園式などを催すことが出来るホールとなります。
なお今回の工事は「第一期工事」として位置付けられており、国の保育制度改革の最終結論を見据えた上、3~5年度に現在の砂場横の「お空の部屋」と呼ばれている二階建ての園舎を取り壊して「第二期工事」を行い、これが完成したところで、最も古い三階建ての園舎を撤去し、最終的に工事が完了します。
息の長い話であり、工事期間中は何かとご迷惑をお掛けしますが、地震対策を中心とする子ども達の安全性と、教育性の両面の向上を目指す事業ですので、ご理解とご協力を重ねてお願い申し上げます。
さて話は変わって、先日のことです。お父様のご転勤によって三月で退園した園児さんのお母様からお手紙が届きました。新しいお住まいと幼稚園も決まり、お元気にお過ごしのようで何よりでしたが、加えてこのようなエピソードとご感想を教えて頂きました。
「親の都合で大好きな久留米あかつき幼稚園を離れなくてはいけないことは、息子には大変申し訳なかったと思っていました。でも息子がポツリと言いました。『ママ、新しい幼稚園でも、ボクがんばってお友達をつくるね!』。三歳の子どもからこんな言葉が出るなんて正直驚きました。幼稚園でいつも教えて頂いた“頑張る心”、”我慢する心”、”応援する心”。親の勝手な解釈ですが、今回の転勤も息子なりに受け入れ、お友達や先生方からエールをおくってもらったことで、頑張る心が芽生えたのではなかったのかと思っています。あかつき幼稚園で過ごした時間は、私達家族にとっても大切な時間であり、宝物です。本当に有り難うございました」
幼児期の教育とは、人生の基礎をつくる教育です。園舎の基礎工事のように、心の奥底にお手紙にもあった「頑張る心、我慢する心、応援する心」をしっかりと根付かせることが大切だと考えております。幼稚園と家庭と一体となって、今後も育んで参りましょう。